消費者金融と銀行カードローンの違い

お金を借りるなら消費者金融よりも銀行の方が安全だし有利なんじゃないの?と思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。
なぜなら大手消費者金融のほとんどは銀行グループに属しているので不安はありませんし、無利息期間をつけてくれるなどの利用者目線のサービスは消費者金融の方が充実しているんです。
本記事では、消費者金融と銀行カードローンの違いを詳しく解説しています。ぜひ役立ててくださいね。
主な消費者金融と銀行カードローン一覧
まずは大手・有名消費者金融、銀行カードローンの金利と限度額を確認してみてください。
●大手消費者金融
業者名 | 金利(実質年率) | 限度額 |
アコム | 3.0%~18.0% | 800万円 |
プロミス | 4.5%~17.8% | 500万円 |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% | 800万円 |
レイク | 4.5%~18.0% | 500万円 |
アイフル | 3.0%~18.0% | 800万円 |
●銀行カードローン
業者名 | 金利(実質年率) | 限度額 |
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」 | 1.8%~14.6% | 10~500万円 |
三井住友銀行カードローン | 年1.5%~14.5% | 10万円~800万円 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 10~800万円 |
りそな銀行カードローン | 3.5%~12.475% | 10~800万円 |
イオン銀行カードローン | 3.8%~13.8% | 10~800万円 |
セブン銀行カードローン | 15.0% | 10~50万円 |
楽天銀行カードローン スーパーローン | 1.9%~14.5% | 10~800万円 |
住信SBIネット銀行MR.カードローン | 0.99%~14.79% | 10~1,200万円 |
オリックス銀行カードローン | 1.7%~17.8% | 800万円 |
じぶん銀行カードローン じぶんローン | 2.2%~17.5% | 10~800万円 |
PayPay銀行カードローン | 1.59%~18.0% | 10~1,000万円 |
ソニー銀行カードローン | 2.5%~13.8% | 10~800万円 |
銀行と消費者金融は基づいている法律が違う
消費者金融と銀行カードローンは、基づいている法律に違いがあります。消費者金融は「貸金業法」、銀行カードローンは「銀行法」の元に運営しています。
この違いが最も大きく表れているのが総量規制になります。
消費者金融は総量規制の対象になる
総量規制は「個人が借り入れできる金額は年収の3分の1以下」という規則で、貸金業法によって定められています。
消費者金融から借りられる金額は100万円までになる
貸金業法による法律なので、消費者金融は厳守しなければいけませんが銀行カードローンは対象外となります。
なお、総量規制は消費者金融などの貸金業者に向けられた規則なので、仮に消費者金融から年収の3分の1以上の金額を借りたとしても私たち利用者に罰則はありません。
しかしお金を貸した消費者金融にはペナルティがあり、故意に総量規制以上の金額を繰り返し融資するなど悪質な場合は営業停止になることもあります。
銀行カードローンの限度額は年収と関係ないの?
年収は返済能力の高さなどを審査するために大事な項目なので、銀行カードローンでも申し込みの際には年収の申告をします。
限度額は本人が返済可能だと判断できる金額になります。総量規制のように法律で定められているわけではないけれど、お金の借りすぎを防ぐための自主規制を行っていると考えておきましょう。
ただ、年収の3分の1を超える金額の申し込みも可能であることを明記している銀行カードローンもあります。
お申込額は原則お客様年間収入の1/2以内となります
地方銀行でもカードローンによる融資を行っていますので、お住いの地域の銀行カードローンも探してみてください。
どちらでお金を借りても信用情報機関に登録される
信用情報機関は各種ローンやクレジットカード、キャッシングの申し込み情報、利用状況、返済情報、延滞・滞納情報など、私たちの金融商品の利用状況を記録・保管している機関です。
カードローンの利用履歴も記録されるので、消費者金融でも銀行カードローンでもどちらを利用しても記録が残ることになります。
消費者金融の大きな特徴
消費者金融の特徴から銀行カードローンとの違いを見ていきましょう。
消費者金融は即日融資が可能
消費者金融なら申し込みをしたその日にお金を借りることも可能です。
審査にかかる時間は最短で30分なので、早ければ1時間程度でお金を借りることもできるのです。
これは個人向けの無担保融資を得意としている消費者金融ならではのサービスで、銀行カードローンでは即日融資はできません。
2017年までは即日融資ができる銀行カードローンもありました。
しかし銀行は、2018年1月より新規申込者に対して警察庁のデータベースに照会をかけて、暴力団などの反社会的組織と無関係であることを調査することになったのです。
審査が強化された背景には2013年ごろに社会問題にもなった「メガバンクの反社会的勢力への融資」があります。
この不祥事があったことから全国銀行協会は審査を強化するために、警察庁へのデータベース照会というチェック項目を審査に加えました。
現在、銀行カードローンは最短でも翌営業日の融資となっています。でも、消費者金融と比べると遅いですが、それでも最短翌日融資なので早いと言っても良いと思います。
消費者金融は無利息サービスを行っていることが多い!
無利息サービスはその名のとおり、一定期間利息がつかなくなるサービスです。例えば初めてアコムを利用する人なら、契約日の翌日から30日間無利息になります。
この間は借りたお金に利息がつかないので、返済した金額も全て元金の返済に充てられることになります。
「消費者金融が無利息でお金を貸すなんて、何か裏があるのでは?」と思えるかもしれませんが、無利息サービスは消費者金融の宣伝であり集客のための方法なので、私たちがお金を借りる上でのデメリットやリスクは一切なく、得することでしかありません。
むしろ短期間で完済できるくらいの借り入れなら、銀行カードローンよりも無利息サービスがある消費者金融を利用した方が利息の負担が少ないこともあります。
●無利息サービスを行っている消費者金融
無利息期間と開始日 | 回数 | 適用条件 | |
アコム | 契約日の翌日から30日間 | 初回のみ | アコムをはじめて利用する方 |
プロミス | 初回借入日の翌日から30日間 | 初回のみ | メールアドレスを登録する Web明細を利用する |
アイフル | 契約日の翌日から30日間 | 初回のみ | 利用条件なし |
レイク | 契約日の翌日から30日間 | 初回のみ | 限度額が200万円超の場合30日間無利息となる |
契約日の翌日から180日間 | 初回のみ | 借入額のうち5万円までが180日間無利息となる | |
ノーローン | 借入日の翌日から7日間 | 何度でも | 完済した月の翌月から再度無利息期間が発生する |
セントラル | 契約日の翌日から30日間 | 初回のみ | 利用条件なし |
キャッシングフタバ | 契約日の翌日から30日間 | 初回のみ | 利用条件なし |
ニチデン | 最大100日間 | 初回のみ | 利用条件なし ※ただしニチデンを利用できるのは大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県・三重県の方のみとなっています |
●無利息サービスを行っている銀行カードローン
無利息期間と開始日 | 回数 | 適用条件 | |
PayPay銀行 カードローン | 初回借り入れ日から30日間 | 初回のみ | 利用条件なし |
愛媛銀行 ひめぎんクイックカードローン | 契約日から30日間 | 初回のみ | Web契約を利用する |
無利息サービスを行っている銀行カードローンもありますが、消費者金融と比べると数が限定されています。
なお、無利息サービスには契約日を起算日としているものと借り入れ日を起算日にしている貸金業者があります。
契約をしてもすぐにお金を借りる予定がない場合は、借り入れ日の翌日から無利息期間が適用される貸金業者を利用した方がお得度が高くなります。
消費者金融は審査が甘いって本当?
消費者金融は審査が甘いと言われていますが、実際、銀行カードローンと比べると甘いと言って良いと思います。
カードローンは金利が低く限度額が高いというように、融資条件が有利になればなるほど審査も厳しくなります。
消費者金融は銀行カードローンよりも金利が高く限度額も最大年収の3分の1と決められているので、低金利な銀行カードローンよりは審査が甘くなります。
貸金業者は基本的にたくさんの人にお金を借りて欲しいと思っているのですが、利息で儲けを出している以上、貸し倒れだけは絶対に避けなければいけません。
そのため、当然ですが誰にでもお金を貸すといったことは行っておらず、返済不能に陥りそうな人には貸さないという姿勢です。
ただし、消費者金融は年収が低いから貸さないという判断はせず、低い年収でも返済可能な金額を貸すという選択をすることが多いです。
極端な例ですが、100万円は貸せないけど10万円なら貸せるという感じです。
他の消費者金融からすでにお金を借りていて審査に自信がない方は、銀行カードローンよりも消費者金融に申し込みをした方が審査通過の可能性が高くなります。
銀行カードローンの大きな特徴
銀行からお金を借りられたらかなり安心できるのではないでしょうか。銀行からお金を借りるというのは、消費者金融よりも敷居が高いような気もしますが、全くそんなことはありません。
銀行が行っている個人向け融資は色々ありますが、カードローンならネット申し込みができますし、担保も連帯保証人も不要なので、いちばん気軽に利用できる銀行の融資システムと言っても良いくらい簡単に申し込みできますよ。
銀行カードローンは専業主婦でもお金を借りられる
仕事をしていない専業主婦には収入がありません。年収が0円になるため年収の3分の1を超える貸付ができない消費者金融は専業主婦に融資できないことになります。
一方、銀行カードローンには年収の制限がないので、収入が0円であっても返済能力が確認できれば専業主婦にもお金を貸すことができます。
実際、横浜銀行、イオン銀行などの銀行カードローンは専業主婦向けの融資を行っています。
専業主婦に貸付を行う消費者金融もあることはあるけど?
消費者金融が専業主婦向けの融資ができないのは総量規制によって制限されているからなのですが、総量規制には規制の例外となる項目があります。
その例外のひとつが「配偶者貸付」という専業主婦・主夫向けの融資になります。
配偶者貸付は、専業主婦・主夫が配偶者の年収と合算した金額の3分の1までの借り入れができるという決まり事です。
ただ、配偶者貸付は貸金業者に対して「専業主婦の方にも夫婦の年収を合わせた金額の3分1までなら貸しても良いですよ」とルール付けしているだけなので、実際に貸すか貸さないかは消費者金融側の判断となります。
そのため、アコムやプロミスといった最大手の消費者金融は専業主婦に対する融資は行っていません。
なお、配偶者貸付でお金を借りるには、以下の書類が必要です。
・配偶者の同意書
・配偶者との婚姻関係を示す書類(住民票又は戸籍抄本など)
・配偶者の年収証明書(限度額によっては不要)
<参考>:日本貸金業協会 Q&A配偶者貸付について
通常の融資よりも必要書類が多くなりますし、最大手消費者金融からの借り入れはできないので、専業主婦がお金を借りたい場合は銀行カードローンを検討した方が選択肢が広くなるでしょう。
消費者金融よりも銀行は限度額が高い
銀行カードローンの限度額は、消費者金融よりも高い傾向にあります。
限度額の設定そのものも消費者金融よりも多いのですが、総量規制による制限がないので年収の3分の1以上の金額を借りられることもあります。
大きなお金を借りたい場合は、銀行カードローンの方が借りやすいと言えます。
銀行カードローンは金利が低い・・・けど?
金利の低さは銀行カードローンの大きな特徴です。
消費者金融の上限金利は18%程度なのですが、銀行カードローンは最大でも12%台のところもあります。
金利の低さはそのまま利息の低さに直結しますので、もちろん高いよりも低い方が良いということになります。
ただし、ほとんどの銀行カードローンが無利息サービスを行っていないので、借り入れ金額と返済期間によっては金利が高くても無利息サービスがある消費者金融の方が有利な借り入れができることもあります。
●10万円を借りた場合の合計利息
金利 | 30日で完済 | 6ヶ月で完済 | 12ヶ月で完済 | |
アコム | 18% | 0円 | 3,542円 | 7,779円 |
レイク※1 | 18% | 739円 | 1,500円 | 4,998円 |
三菱UFJ銀行カードローン バンクイック | 14.6% | 1,216円 | 4,297円 | 8,077円 |
※シミュレーターを利用した計算結果です。実際の利息とは異なる場合があります。
※1「借入額のうち5万円まで180日間無利息」での試算
金利が高い消費者金融の方が、利息が安いという結果になりました!
各カードローン会社にホームページやスマホアプリには、返済シミュレーションが用意されているので、申し込み前に試してみて返済計画を立てることをおすすめします。
こんな人は銀行ではなく消費者金融でお金を借りるべき!
銀行ではなく消費者金融でお金を借りるべき人をまとめます。
とにかく大急ぎ!即日融資を希望している人
銀行カードローンは即日融資ができないので、大至急お金を借りたい場合は消費者金融を選択しましょう。消費者金融なら土日祝日でも即日でお金を借りることが可能です!
他社からも借り入れがある人
銀行カードローンは他社から借り入れがある人の融資に積極的ではありません。1社でも借り入れがある場合は、消費者金融に申し込みをした方が審査に通過しやすいでしょう。
なお、借り入れ件数が多い場合は、おまとめローンも検討してみてください。
おまとめローンは複数の借り入れ額をまとめて1社から借り直して返済してしまうことです。
A社B社C社からそれぞれ30万円ずつ借りているとしたら、D社から90万円を借り直してA社B社C社に完済します。これ以降はD社にだけ返済を行うことになります。
こうすることで毎月の返済額を減らすことができますし、返済日に追われることも無くなります。
無利息サービスを利用してお金を借りたい人
大手消費者金融のほとんどが無利息サービスを行っているので、複数の中から自分に合った業者を選ぶことができます。
勤続年数が短いなど審査にあまり自信がない人
勤続年数が短い、借り入れ件数が多いなど、審査に自信がない人には銀行カードローンよりも消費者金融をおすすめします。
借り入れ件数が多すぎると消費者金融でも審査通過は難しいですが、銀行カードローンよりは可能性があるでしょう。
こんな人は銀行カードローンでお金を借りるべき!
銀行カードローンは消費者金融と比べると審査ハードルが高いと言えます。
と言っても、基本的には銀行もたくさんの人にお金を貸したいと思っているのは同じなので、ごくごく普通にお仕事をして生活している人だったら問題なく審査に通るでしょう。
正社員で金融事故歴がない人
正社員でお仕事をしていてこれまでどこからもお金を借りたことがない、クレジットカードやスマホの本体代金の支払いで延滞したことがない場合は、銀行カードローンの審査通過も難しくありません。勤続年数は長ければ長いほうが良いですよ。
公務員の人
公務員は共済組合の貸付制度でお金を借りることもできますが、使い道に制限がない貸付を希望するならカードローンの方が自由にお金を使えます。
銀行カードローンは公務員のような安定した働き方をしている人を高く評価するので、審査に通過しやすいですし高額融資も期待できるでしょう。
高額融資を希望する人
銀行カードローンには総量規制がないので、年収の3分の1以上の借り入れも可能です。高額融資を希望する場合は、消費者金融よりも銀行カードローンが向いています。
専業主婦・主夫の人
専業主婦・主夫でしたら、消費者金融の配偶者貸付よりもそもそも専業主婦への融資を規制していない銀行カードローンを利用した方がスムーズな融資を受けられます。
まとめ:利用目的に合わせて消費者金融と銀行カードローンを使い分けよう
ここまで見てきたとおり、銀行カードローンと消費者金融には金利やサービス面で違いがあります。
利用条件だけでなく審査の傾向も合わせて総合的にどちらにするかを選ぶと良いでしょう。
完済までに時間がかかりそうなら金利が低い銀行カードローンの方が結果的に有利になりますが、短期間で完済できる少額融資を希望する時とスピード重視なら消費者金融一択になります。
また、そもそも審査に自信がない人も消費者金融を選ぶべきでしょう。
ぜひ自分の目的や生活に合わせて選んでみてください。
