カードローンを一括返済する【メリット・デメリット】

カードローンの一括返済とは、借りたお金を全額まとめて1度に返済することです。
毎月1回の約定返済だけで完済するよりも利息が少なくなるので、返済総額を抑えることができます。
しかし、一括返済を行うには資金も必要ですし、メリットばかりではありません。
ここでは一括返済のメリット・デメリット、一括返済の具体的なやり方などをわかりやすく解説していきます。
すでにカードローンを利用している人は、ぜひ一括返済を検討してみてください。
カードローンの返済期間が長くなるとどうなる?
カードローン返済は、期間が長くなるほど返済額が大きくなってしまいます。これはどの銀行や消費者金融から借りても同じです。
カードローンの返済は決められた通りに毎月1回行っていれば、それ以上の返済を要求されることはありません。
しかし、この毎月1回の約定返済だけでは、借入額によっては完済までの道のりが長くなりがちで、実際に10年以上かけて返済する人もいます。
カードローンの返済シミュレーション。一括返済するとどうなる?
カードローンの返済額は「元金+利息」になります。
例えば10万円を借りて毎月1万円ずつ返済するなら、毎月1万円と1万円に対する利息を返していくわけです。
例)金利18.0%で10万円を借りて10回払いで返済する場合
借入金額 | 10万円 |
金利 | 18.0% |
毎月の返済額 | 10,832円 |
返済回数 | 15回 |
利息の総額 | 8,310円 |
返済総額 | 108,310円 |
この例では完済までに15ヶ月かかっていますが、借り入れから30日後に一括返済をすると以下のようになります。
例)金利18.0%で10万円借りて30日後に一括返済をする場合
借入金額 | 10万円 |
金利 | 18.0% |
返済回数 | 1回 |
利息の総額 | 1,479円 |
返済総額 | 101,479円 |
利息は1,479円で返済総額は101,479円です。
毎月1万円ずつ返済する場合と比べると、利息を6,831円も節約できるという結果になりました。
カードローンの利息は元金に対して日割りで増えていくので、1日早く返済するだけでも変わってくるので、一括返済には利息の節約になるというとても大きな意味があるのです。
ちなみに、アコム・プロミス・レイク・アイフルは30日間無利息期間を設けています。期間内に返済すれば利息は一切かかりません。
カードローンを一括返済する方法
カードローンの一括返済方法はとても簡単です!
ただし、銀行や貸金業者によって方法が違うので、ここでは一般的なご紹介します。
必ずお使いの金融機関の一括返済方法を確認してくださいね。
一括返済する日を決めよう
利息は日割りで変わりますので、一括返済に必要な金額は返済日によって変わってきます。
まずは、一括返済を実行する日を決めましょう。
重要!一括返済方法と返済総額を確認する
返済総額を間違えないためにも、借り入れをしているカードローン会社の一括返済方法と返済総額を確認しましょう。
不安な場合は金融機関に電話で問い合わせると確実ですが、インターネットの会員サイトで確認できる場合もあります。
銀行や消費者金融によっては、一括返済をする前に事前連絡が必要な場合もありますので、必ず確認してくださいね。
<参考>大手カードローン業者の一括返済方法
アコム | アコムATM、提携ATM、口座振込、インターネットで返済可能。 振込口座などの確認は会員ページからできます。 |
プロミス | プロミスコール(0120-24-0365)に問い合わせて金額などを確認します。 プロミスATM、提携金融機関ATM、銀行振込、インターネットで返済できます。 |
アイフル | 会員専用ダイヤル(0120-109-437)や会員ページで確認します。 返済は店舗、口座振込、アイフルATM、提携ATMで行います。 |
SMBCモビット | 会員サービスの「Myモビ」の「一括返済シミュレーション」で返済額を確認します。 返済方法はATM、銀行振込で行います。 |
レイク | 会員ページまたはフリーダイヤル(0120-09-09-09)で返済総額を確認します。 返済方法はSBI新生銀行レイクATM、三井住友銀行ATM(コンビニ除く)、Web返済サービス、銀行振込で行います。 |
三菱UFJ銀行カードローンバンクイック | 会員ページまたは第二リテールアカウント支店専用ダイヤル(0120-76-5919)で返済額を確認します。 ATMまたは振込で返済を行います。 |
一括返済を実行する
一括返済の金額と方法を確認したら、あとは実行するだけです!
もし当初の予定日に返済ができなかったら、改めて一括返済日を決めて返済総額を確認してください。
カードローンを一括返済するメリット
約定返済をきちんと行っていれば返済を要求されることはないので、一括返済は必ずやらなければいけないということではありません。
それでは、一括返済を行うメリットはなんなのでしょうか?
一括返済すると支払い総額が低くなる
金利18.0%で借りた10万円を30日後に一括返済すると利息は1,479円ですが、365日後に完済すると18,000円になります。この利息の違いが一括返済の非常に大きなメリットです。
カードローンの利用枠が空く
一括返済をしてもカードローン会社との契約が解除されるわけではありません。
ですので、カードローンの利用枠いっぱいまで借りている人が一括返済すると、その利用枠がまるごと新たな利用枠になるんです。
別のカードローン会社と改めて契約をしなくても借り入れが出来るので、いざという時も安心です。
信用情報機関に完済履歴が残る
カードローンの利用歴は信用情報機関に記録されているので、完済歴も記録されることになります。
完済済みという記録は、別のローン審査を受ける機会やクレジットカードに申し込みをするときに有利な情報となります。
カードローン一括返済にデメリットはある?
利息を減らしてくれて今後のクレジットカード・ローン審査にも良い影響を与えてくれる一括返済ですが、デメリットもあるのでしょうか?
一括返済は手間がかかる
一括返済を行う前には、カードローン会社に電話をかけたりネットの会員サービスなどで返済総額と返済方法を確認する必要があるので、手間に感じるかもしれません。
また、硬貨の取り扱いができないATMで一括返済をしてしまうと、多く返済しすぎたり、「無利息残高」が発生することがあります。(無利息残高については後ほど詳しくご紹介しますが、ATMから返済しきれなかった端数の借入残高になります)
これらを清算しないと契約の解除ができないので、スッキリ完済できるまでにはもう少し手間がかかってしまうことがあります。
一括返済に消極的な貸金業者もある
カードローンを利用している人にとっては、利息が減るという大きなメリットがありますが、カードローン業者の立場で考えるとそれだけ儲けが減るということになります。
そのため「一括返済はして欲しくない」というのがカードローン業者の本音なんです。
大手消費者金融や銀行カードローンなどの正規の業者が一括返済を断ることはありませんが、中小規模の消費者金融に一括返済を渋られてしまったという口コミを見かけることはあります。
一括返済すると一時的に家計が苦しくなることもある
一括返済を行うにはある程度まとまったお金が必要になるので、コツコツ頑張って貯めた口座残高が減ってしまうこともあります。
資金が十分あって一時的に預貯金が減っても生活に影響がないなら、思い切って一括返済しても良いでしょう。
しかし、無理して返済してしまうと後から生活が苦しくなり、また借り入れをしなければいけない状況に陥ってしまうこともあります。
また、お正月やお盆、ゴールデンウィークなどの出費が予想される連休前なども避けた方が良いかもしれませんね。
一括返済は焦って行う必要はありません。経済的に余裕があると判断できてから行うと失敗しにくいですよ。
繰り返しお金を借りてしまう人もいる
一括返済を行うと新たな借り入れ枠ができることになるので、ついまたお金を借りてしまう人もいます。
せっかく一括返済してもまたお金を借りてしまっては元の生活に逆戻りです。
自分は意思が弱いという自覚があるなら、一括返済後にカードローン契約を解除することも検討しましょう。
カードローン一括返済のポイント Q&A
カードローンの一括返済をしたいけどお釣りはどうなるの?とか、気になることもあると思います。
一括返済を実行するうえで知っておきたいことをQ&Aでまとめます。
「無利息残高」ってなに?
無利息残高は、利息も手数料もかからない、支払い期限も設定されない借入残高のことです。
通常はカードローンで借りたお金は全額返済しないといけないのですが、ATMで返済する場合、1,000円単位でしか返せないことがあります。
こういった場合、1,000円未満の端数を無利息残高として扱い、利息・手数料をつけない金額とするわけです。
例)13,200円を硬貨が使えないATMから一括返済した場合
13,000円が返済され、200円が無利息残高になる
無利息残高にメリット・デメリットはある?
無利息残高を放置しておくと、次回お金を借りた時の借入残高に組み込まれることになります。返済が不要ということではないのでメリットも特にありません。
利息はかからないとはいえ少額の借り入れになるので、むしろデメリットの方が多いです。
考えられるデメリットは2つあります。
ひとつは、そのままにしておくのはなんとなく気持ち悪い・・・という精神的なものです。無利息残高が発生しているということは、ほぼ全額返済し終わっているということになりますよね。
もう一息で完済なのに、端数が残っているのは気分が良くなかったり気になってしまうものです。
もうひとつは、無利息残高を返済しないと完済にならないので、解約ができないということです。
無利息残高があるということは一括返済した後も借り入れがあるということになるので、スッキリ完済しないと契約を解除することはできません。
一括返済後に解約することを決めている場合は無利息残高も完済するようにしましょう。
無利息残高の返済方法
無利息残高は1,000円未満の端数になるので、硬貨が使えない提携ATMなどで返済すると発生することになります。
ですので、最初から1円単位で返済できる方法で一括返済をすれば無利息残高は発生しません。
カードローン業者によって違いはありますが、
・店頭窓口
・口座振込
・インターネット返済
・硬貨が利用できる自社ATM
などで返済をすれば無利息残高を避けることができます。
すでに無利息残高がある場合も、上記の1円単位で返済できる方法で入金すれば完済することができます。
なお、無利息残高を放置しておいても利息がかかることはないので、返済額がどんどん増えていくといったような金銭面でのデメリットはありません。
多く返済してしまったらお釣りはもらえるの?
硬貨が使えないATMなどで返済額以上の金額を返済すると、無利息残高は生まれませんがお釣りが発生することがあります。
カードローンではこのお釣りのことを「預り金」と呼んでいて、清算方法は2つに分けられます。
貸金業者から返済がある
貸金業者が返金をしてくれます。返金方法はカードローン業者ごとに異なります。
・銀行口座に振り込みで返済がある
・カードローン業者の店頭窓口に取りに行く
次回借入時の借入残高から相殺される
次回借り入れをする機会に、その借り入れ残高から預り金が相殺されます。通常は初回返済時に相殺扱いで清算されるケースが多いです。
なお、預り金が発生する場合、貸金業者の方から電話やハガキなどで連絡が入ることもあります。
こういった連絡を絶対に避けたい場合は、最初から預り金が発生しないように1円単位で返済した方が良いですよ。
多く返済してしまうと過払金になるの?
過払い金返還請求のコマーシャルを毎日のように見かけることから、「一括返済で払いすぎてしまうと過払い金が発生する」と不安に感じている方もいるようです。
結論から言うと、貸金業者に一括返済額を確認してからその金額を入金すれば過払い金が発生することはありません。
多く返済したとしても預り金になるだけなので過払金にはなりません。
預り金と過払金は全く違うもので、少なくとも2007年以降に借り入れをした分に関して過払い金が発生していることはありません。
もし2007年より前にカードローンを利用していて現在も返済を続けている場合は、過払い金が発生している可能性もありますが、それは一括返済とはまた別の問題です。
心当たりがある方は、過払い金返還請求を行うことで返済額が0円になることもありますし、実際に過払い金があればお金が戻ってきます。
一括返済ってやった方がいいの?
一括返済を行う大きなデメリットは、手持ちのお金が一時的に減ってしまうことです。
お財布に余裕がないときに一括返済をすると、生活が不安定になってしまいますので、タイミングはよく考えるべきでしょう。
一括返済は難しいけど借り入れ残高を着実に減らしていきたいというときは、「繰上げ返済」という方法もあります。
繰上げ返済は毎月の約定返済額とは別に任意の金額を返していく返済方法です。1度にたくさん返済するのは難しくても、毎月少しずつ多めに返済していけば計画的に元金を減らして完済に近づくことができます。
金利18.0%で30万円借りて、毎月10,000円ずつ返済したケースと20,000円ずつ返した場合の違いはこうなります。
10,000円ずつ返済 | 20,000円ずつ返済 | |
借入金額 | 30万円 | 30万円 |
金利 | 18.0% | 18.0% |
毎月の返済額 | 10,000円 | 20,000円 |
返済回数 | 40回(3年4ヶ月) | 18回(1年6ヶ月) |
利息の総額 | 99,463円 | 41,716円 |
返済総額 | 399,463円 | 341,716円 |
2万円ずつ返済したケースの方が、返済期間は1年10ヶ月も少なくなり利息も57,748円も抑えられています。
一括返済も繰上げ返済も無理のない範囲で行う必要がありますが、ぜひ取り入れたい返済方法であることは間違いありません。
一括返済すると完済・解約になる?
一括返済は、あくまでも借りているお金をまとめて返済する方法です。
小銭が扱えないATMから一括返済をすると無利息残高が発生して完済にはなりませんし、完済しなければ解約もできません。
一括返済後に解約したい場合は、以下の流れで手続きを行うようにしましょう。
1. 1円単位で入金できる方法で一括返済して完済してしまう
できれば1円単位で返済できる方法で一括返済するのが理想です。
預り金や無利息残高が発生したら、カードローン業者が指定する方法で清算しましょう。
プラスもマイナスもない状態にしておきます。
2.カードローン会社に問い合わせをして解約手続きを行う
解約手続きは会員サイトからできることもありますし電話連絡が必要な場合もあります。
解約方法がわからない場合は、必ずお使いのカードローン業者の最新情報を確認して指定通りの手続きを行うようにしてください。
