駅でお金を借りる方法は?財布落としても電車に乗れる?着駅清算とは?

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目的の駅に到着してお財布をなくしたことに気がついた!
電車に乗らないといけないのに改札でお金がないことに気がついた!
ICカード乗車券をポケットに入れておいたら電車の中でお財布ごとスられた!

こんな駅でのお金のトラブルは、いつ誰の身に起こるかわかりません。

切符をなくしてもお財布は無事とか構内のATMで現金を下ろすとか、その場で対処できればとりあえず駅から出ることはできますが、お金を用意する手段が全くない・・・という状況もあります。

そんなときに駅でお金を借りることはできるのでしょうか?


駅でお金を借りることはできる?

答えを先に言ってしまうと、駅でお金を借りることは可能です。

電車などの交通機関には「着駅清算」という制度があり、利用者がどうしても電車賃を用意できない時などに支払いを後日にしてもらうことができるんです。

着駅清算では駅員さんに現金を借りるのではなく、利用代金を後日の支払いにしてもらうという感じになりますね。

ただし、電車に乗る前と後では着駅清算が使えるかどうかが変わってきます。

電車に乗る前にお金がないことに気づいたら?

電車に乗る前・改札に入る前にお金がないことに気がついた場合は、着駅清算は使えません。

そもそも乗車券を持っていない人の乗車は認められておらず、お金がない人(運賃を払えない人)は電車に乗ることができないんです。

電車に乗る前であれば、友達にお金を借りるとか1度家に帰るとか、コンビニでお金を引き出すなど駅に頼らなくてもお金を作る方法はいくつもあります。

遠方から旅行に来ていて、かばんごと盗難にあってしまったなどの場合は、電車に乗って移動するよりもまずは警察に行くことをすすめられるでしょうし・・・。

単純に、「お金がないから電車に乗れない」という状況の人にいちいちお金を貸していたら駅員さんも大変ですし、常識的に考えてやむを得ない状況と判断するには無理があります。

実際、改札に入る前であれば駅でお金を借りることは非常に難しいでしょう。

電車に乗った後にお金がないことに気づいたら?

会社・学校・自宅の最寄駅で電車を降りようとした時に切符がない!と慌てることもあると思います。

このケースでは、やむを得ない事情と認められたら着駅清算を利用して電車代を借りることも可能です。

ただ、切符をなくしたからといって絶対に着駅清算が利用できるわけではなく、切符をなくしたという説明がいかにも怪しい時などは断られてしまうこともあります。

着駅清算のやり方

着駅清算の方法はとても簡単です。

着駅清算を希望していてもしていなくても、駅で切符やSuicaなどをなくしたことに気がついたらまずは駅員さんに相談をしましょう。

事情を話して着駅清算が認められたら、誓約書(支払猶予願書)を記入することになります。
後から支払うという約束をすることで駅から出られるようになるわけですね。

お金を借りられない!?着駅清算を断られてしまうこともある

どんな人でも着駅清算で改札を通してしまったら不正利用をし放題という事態にもなりかねません。

着駅清算は本当に困っている人に対する救済措置になるので、誓約書さえ書けばいつでも清算を後日にしてくれるというものではないことも頭に入れておきましょう。

無理やり駅の改札を通るとどうなる?

電車やバスなどの公共交通手段では、日常的に不正乗車が行われています。

中には本当はお金も切符もあるのに電車の中で切符をなくしたことにしたり、乗車駅と下車駅が遠い場合に下車駅近くの途中駅で切符を買い直して安い運賃で改札を通ろうとする不正乗車のパターンもあります。

電車を利用するのではれば乗車区間の運賃を支払うのは当然のことなので、本当に切符をなくしたとしても、まずは不正乗車を疑われても仕方のないことです。

しかし、ここで疑われたからといって腹を立てて強引に改札を出ようとするのは絶対にやめておきましょう。

本当にトラブルにあってお財布をなくしたのに、不正乗車の嫌疑が強まってしまうと警察沙汰になってしまう危険性もあります。

それに鉄道営業法では、鉄道事業者は不正乗車をした人に対して、割り増し運賃を請求できることが認められています。

<参考>鉄道営業法 第18条

第十八条:旅客ハ鉄道係員ノ請求アリタルトキハ何時ニテモ乗車券ヲ呈示シ検査ヲ受クヘシ
2.有効ノ乗車券ヲ所持セス又ハ乗車券ノ検査ヲ拒ミ又ハ取集ノ際之ヲ渡ササル者ハ鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ割増賃金ヲ支払フヘシ

e-Gov鉄道営業法より引用させていただきました。

ただお財布をなくしただけで悪いことはしていないのに、疑いが強まるのは誰にとっても良いことではありません。

お財布をなくしたり盗られたりしてしまうと気持ちが焦ってしまうものですが、駅できちんとした手続きを踏んで電車代の清算を後日にしてもらえるようにしましょう。

着駅清算は新幹線でも使えるの?

新幹線のような運賃が高額になる場合も、着駅清算の相談をすることは可能です。

ただし、新幹線の場合はまず切符をなくさないようにした方が得策です。

例えば8,000円分の乗車券を新幹線に乗った後に紛失したとします。

本当に乗車券を買っていたとしても、駅員さんの裁量で「紛失したならこのまま改札を通って結構です」とはならずに、乗車料金の8,000円は支払うことになるんです。

後払いでOKとなることはあっても支払いを免除してもらえることはないため、二重払いになってしまいます。

領収書などがあれば二重払いを回避できることもありますが、切符は持っている人が誰でも使うことができるため、自分で購入して自分で乗車したことの証明が難しいのです。

結果、不正乗車を疑われて3倍の請求がかからないだけでもマシ・・・となってしまうことも十分に考えられます。

切符をきちんと購入したのに乗車中に支払えない状況になってしまったのであれば、まずは困っていることを駅員さんに相談するべきですが、高額なものはなくさないというのが鉄則ですね。

お財布をなくしたけど電車に乗りたい!方法はある?

家を出てから電車に乗る前に駅でお財布がないことに気がついてしまうこともあります。

日常生活の範囲だったら、家にお財布を取りに帰るなどの方法も思いつきますが、すぐに電車に乗らないと飛行機に乗り遅れる!とか、受験に間に合わない!といった切羽詰まった状況だったらどうすれば良いのでしょうか?

基本は自分でなんとかすることになる

どんな事情があるにせよ、電車を利用するのであればその運賃は全額支払わないといけません。

電車に乗る前であればなおのこと個人の事情は鉄道会社と無関係なので、乗せる必要がないということになります。

冷たいように感じるかもしれませんが、例えばJR東日本エリアで最も乗車人数が多い新宿駅では1日に約79万人の人が電車に乗ります。

そんな公共交通機関で個人の事情を全て配慮していたら、電車を動かすことはできないでしょう。

ただし、駅員さんに相談は可能

先に言っておくと、どんな事情があれ電車に乗る前に駅でお金を借りることは難しいです。

普通に考えて、駅で「お金ないけど電車に乗せてほしい!」ってお願いするのっておかしいですよね。不正乗車を疑われる可能性も高いでしょう。

しかし、前述のように、すぐに電車に乗らないと確実に飛行機に乗り遅れる!といった場合には駅員さんの判断で後払いにしてもらえることがある・・・かもしれません。

どんな事情があったとしても決して確実に借りられるわけではありませんし、乗車前に着駅清算は利用できないので、もしお金を借りられるとしたら駅員さんの人情やポケットマネーということになりますね。

あくまでも「相談可能」であって、確実ではありませんよ。

最後の手段は交番に相談してみる

電車に乗る前にお財布がないことに気がついて家に帰れない・・・、タクシー代もないし友達や家族も頼れないよ・・・というときには、交番に相談してみてください。

警察には公衆接遇弁償費という制度があり、お財布を落としてしまって帰宅するお金もないという切羽詰まった状況の時にお金を借りることができます。

借りられる金額は1,000円程度で、公衆接遇弁償費の扱いは地域によって異なるので、必ず借りられるとは限りませんが、1,000円でもあったら助かるはずです。

ただし、公衆接遇弁償費も着駅清算と同じく、自分でなんとかできないときの最終手段になります。
お財布はなくしたけど親に相談すればお金を持ってきてくれるなど、どうにかなる状況の時に公衆接遇弁償費を利用することはできません。

駅でお金がないときにやってはいけないこと

お財布をなくした経験がある人はわかると思いますが、あれって本当に焦りますよね・・・。

私も電車の中でIC乗車券付きのクレジットカードを紛失したことがあって、とても困ったことがあります。

すごく焦った状態で駅員さんに事情を話すと、「運賃の清算は後で大丈夫なので、まずはクレジットカードの不正利用を防ぐために、すぐにカード会社に連絡してください」と言われました。

「あっそうだ!そっちが先だ!」と思ったことで逆に気持ちが落ち着いて、駅の相談所からクレジットカード会社に連絡をしたという経験があります。

この時は、駅員さんがすぐにやるべきことを教えてくれたことから落ち着くことができましたが、焦って冷静さを失ってしまうとトラブルが大きくなってしまうこともあります。

困っていてもやってはいけないこともぜひ覚えておいてください。きっと役にたちますよ!

駅でお金がないことに気づいたら「まずは落ち着く(笑)」

人のことは言えないのですが、駅でお金がないことに気づいても焦らずに、まずは落ち着きましょう。

あまりにも焦ってしまって何を言っているのかわからないくらいになってしまうと、駅員さんにも伝わりません。

なるべく気持ちを落ち着かせて、感情的にならずに何があったのかを説明するようにしましょう。

切符を買わないで乗る

無人駅などでは切符を買わなくても電車に乗ることができてしまいます。
しかし、乗車券を持たずに電車に乗るのは違法です。

「バレないだろう」という精神で故意に切符を買わないのはもちろんダメですが、電車に乗る前にお財布がないことに気がついたのにそのまま乗ってしまうのも良くありません。

電車代を支払う意思がないのに電車に乗ったと思われてしまい、警察沙汰になってしまうかもしれませんよ。

改札を無理やり通る

自分では「切符をなくしたから駅前のコンビニでお金を下ろして支払いをする」といった真っ当な理由があったとしても、お金を払っていないのに何を言わずに無理やり改札を出ようとする行為は不正乗車になってしまうことがあります。

実際、不正乗車をする人の中には「後から払うつもりだった」と苦しい言い訳をする人もいるので、乗車賃が払えなくなってしまった時は自己判断をせずにまずは必ず駅員さんに相談をしてください。

着駅清算を強引に求める

ネットでは「着駅清算は義務」という声もあれば「着駅清算を義務とするのは過大解釈」というように意見が分かれています。

いずれにしても「義務だからさっさと手続きして!」という態度で駅員さんに接するのはマナーとしてよくありませんよね。

乗車途中でトラブルにあって切符やお財布をなくしたのは災難ですが、そのトラブルと駅員さんは関係ないですし自分の管理ミスでもあるわけですから横柄な態度をとるのは大人気ないです。

逆に、態度の悪い駅員さんもいなくもないですし、最初から不正乗車を疑われると腹がたつものですが、なるべく穏便に駅から出られるように大人の態度を心がけましょう。

駅で電車代以上の現金を借りることはできないの?

着駅清算はあくまでも乗車区間の運賃を後日清算にすることです。

ですので、駅から家までのタクシー代などの現金を着駅清算で借りることはできません。

駅員さんが個人的に貸す必要もないので、駅という公共交通機関で着駅清算以外のお金を借りることは難しいです。

ただ、上の項目でご紹介した公衆接遇弁償費なら駅付近でも借りられる可能性があります。公衆接遇弁償費の相談は警察署だけでなく以下の場所でもできるんです。

●公衆接遇弁償費を相談できる施設など
・交番
・地区交番
・駐在所
・警察署
・企画課
・運転免許試験場
・鉄道警察隊
・地域安全センター
・鉄道警察隊分駐所及び連絡所
・警ら用無線自動車

※ただし上限は1,000円

駅付近なら鉄道警察隊、分駐所、連絡所といった場所でも相談可能ですし、パトカーを見かけたら呼び止めて直接相談することもできます。

本当に困っている時には着駅清算と公衆接遇弁償費の両方を利用して、帰宅することも可能なんです。

着駅清算を利用して駅でお金を借りたら必ず返済しよう!

着駅清算は(公衆接遇弁償費も)、あくまでも困っている時にお金を借りる方法です。

制度のおかげでピンチを脱出できるわけですから、落ち着いたら必ず返済をしましょう。

たとえ着駅清算で利用した金額が数百円だったとしても、借金を踏み倒してしまったら不正乗車と同じことになってしまいますよ。

また、困った時の救済措置は信頼のもとに成立しているとも言えることなので、踏み倒す人が増えてしまうと制度自体がなくなってしまうことも考えられます。

公衆接遇弁償費の方は、実際に返済を行わない人が多いことから、この制度自体を廃止にしようという声も上がっています。

公衆接遇弁償費は警察が取り扱っているため、税金から捻出されているので事情が違うかもしれませんが、返済しない人が多いために廃止を求められてしまうのは残念な話です。

私たち利用者の窮地を救ってくれる制度を存続させるためにも、借りたお金は必ず返済しましょう。


   

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